ポータブルトイレの選び方​

ポータブルトイレ

ポータブルトイレとは?

ポータブルトイレは、寝室などトイレから離れた場所に置ける移動式のトイレで、ベッドからの移動が負担になってきた方の排泄をサポートする福祉用具です。 夜間の転倒リスクを減らせるだけでなく、排泄の自立やプライバシーを守りやすいというメリットがあります。 介護を受ける方だけでなく、介助者の負担軽減にもつながるため、在宅介護では早めの検討が勧められています。

まず確認したい3つのポイント

ポータブルトイレ選びで最初に確認したいのは「身体の状態」「設置場所」「介助の有無」の3つです。 自力で立ち座りや歩行がどの程度できるか、認知症の有無や程度、どれくらい見守り・介助があるのかで、必要な形や機能が大きく変わります。 さらに部屋の広さやベッドとの距離、寒さやにおい対策など、設置環境も使いやすさを左右します。

ポータブルトイレの主な種類

ポータブルトイレは構造や処理方法でいくつかのタイプに分けられます。 一般的には、バケツに排泄して洗う「バケツ式」、排泄物をラップで密封して捨てる「ラップ式」、水洗設備とつなげる「水洗式」などがあります。 それぞれ価格や手入れの手間、においの出やすさが異なるため、介助者の負担も含めて検討することが大切です。

処理方法別の特徴

  • バケツ式:本体価格が比較的安く種類も多い一方で、バケツの洗浄の手間やにおい対策が課題になりやすいタイプです。
  • ラップ式:排泄物をフィルムで自動包埋して捨てられるため、汚物処理が簡単でにおいも出にくいとされますが、本体価格や専用フィルムのコストがかかります。
  • 水洗式:トイレに近い感覚で使え、においや衛生面で優れますが、設置や配管工事が必要になる場合があります。

体格に合ったサイズを選ぶ

安全で楽に使い続けるためには、利用者の体格に合ったサイズ選びが欠かせません。 座面の高さは、座ったときに膝がほぼ直角に曲がり、足裏がしっかり床につく高さが目安とされ、低座面・高座面などのバリエーションが用意されています。 また、便座の大きさは身長ではなくお尻のサイズに合わせないと、座位が不安定になったり、便座にお尻が落ち込みやすくなったりします。

身体状態に合う形と機能

身体の状態に合わせて、背もたれやひじ掛けの有無・形状を選ぶことが重要です。 姿勢保持が難しい方には背もたれ付き、立ち座りに不安がある方にはしっかりつかまれるひじ掛け付きのタイプが勧められます。 ベッドから横移乗する場合は、ひじ掛けが跳ね上がる・着脱できるタイプだと移乗しやすく、介助者も動きやすくなります。

よくある身体状態と選び方の目安

  • 自力で立ち座りできる:シンプルな標準タイプでも対応しやすいが、ひじ掛けなどの安全機能はあった方が安心とされます。
  • 立ち座りが不安定:高さ調整機能や、しっかり握れるひじ掛け、ソフト便座など、負担を減らす機能が役立ちます。
  • 全介助に近い:ベッドサイドに設置しやすい形状や、介助スペースを確保しやすい構造かどうかが重要になります。

介護者の負担を減らすポイント

ポータブルトイレは使う人だけでなく「処理する人」にとって楽かどうかも重要な選定ポイントです。 汚物処理が簡単な構造や、バケツの出し入れがしやすい形、フタの開閉操作がスムーズかどうかで、毎日の負担感が変わります。 後方や側方から介助する場合は、足を入れるスペースや手を差し込める空間があるかどうかも確認しておくと安心です。

設置場所とにおい・音・寒さ対策

設置場所は寝室や居室が多く、スペースに合ったサイズを選ぶことが基本です。 部屋が狭い場合は、コンパクトタイプやプラスチック製の軽量タイプを選ぶと動かしやすく掃除もしやすくなります。 においが気になる場合は、ラップ式や消臭機能付き、フタの密閉性が高い製品などを選び、冬場は暖房便座や保温性のある便座が役立つとされています。

素材と座り心地

本体の素材はプラスチック製と木製に大きく分けられることが多く、それぞれに特徴があります。 プラスチック製は軽くてお手入れがしやすく、価格も比較的抑えやすい一方、見た目の抵抗感を持つ方もいます。 木製タイプは家具に近い見た目で抵抗感が少ないとされますが、重さや価格、掃除のしやすさなども確認が必要です。

座面・便座の工夫

お尻がやせている方や、排泄に時間がかかる方には、ソフト便座やクッション性のある座面を選ぶことで、痛みや不快感を軽減しやすくなります。 長く座っても負担が少ないことは、排泄を焦らず安心して行えることにつながります。 ただし、柔らかすぎると立ち上がりにくくなる場合もあるため、実物確認や専門職への相談が有効です。

プライバシーへの配慮

ポータブルトイレは生活空間の中に置くため、本人のプライドや家族との距離感にも配慮が必要です。 間仕切りやパーテーションと併用する、家具調デザインを選ぶなど、見た目を工夫することで心理的な抵抗を軽くできます。 家族全員で使い方やルールを共有し、「なるべく普通の生活に近い排泄環境」をつくることが大切です。

介護保険や専門職への相談

日本では、要介護認定を受けている場合、ポータブルトイレは福祉用具購入費の対象となり、介護保険を利用できることがあります。 条件や上限額、自己負担割合などは制度で決まっているため、ケアマネジャーや福祉用具専門相談員に確認すると安心です。 また、専門職と一緒に選ぶことで、身体状態や住環境に合った具体的な機種の提案を受けやすくなります。

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