「車いすレンタルと“空気入れだけ呼びたい”問題」

車いす

結論から言うと、「空気補充だけ」を目的に何度も呼ぶのは望ましくありませんが、安全確保のための対応として一度呼ぶこと自体は問題ありません。

法的・制度的な考え方

  • 介護保険の福祉用具貸与は、用具の選定・納品だけでなく、定期的な点検やメンテナンスを含むサービスとして位置づけられています。
  • モニタリングの場面では、車いすや歩行器のブレーキ・タイヤの空気圧確認などが「必須で有効」とされており、事業者の役割としても明記されています。

「空気入れだけ訪問」のグレーゾーン

  • 訪問介護の事例解説では、「車いすのタイヤの空気を入れる目的だけでの訪問はできない」が、「空気が抜けた状態で使用する方が危険なため、安全確保の観点からは空気を入れる対応は求められる」とされています。
  • 研究報告でも「タイヤの空気入れのために呼ばれることがあり、事業者の大きな負担になっている」と指摘されており、業界全体でも課題とされている状況です。

実務的な線引きの目安

  • 次のような場合は「対応して良い/むしろ必要」と考えられます。
    • 定期モニタリングや他の用件(調整・点検・相談対応)の訪問時に、ついでに空気補充を行う。
    • 空気が抜けていて、このままでは転倒・逸走など安全上のリスクが高い状況で、応急的に訪問して補充する。
  • 一方で、次のようなケースは継続的に受け続けるのは難しいと考えられます。
    • 利用者・家族側で空気入れを全く用意せず、「少し減ったら毎回レンタル事業者を呼ぶ」前提になっている。
    • 明らかに頻度が高く、他の業務に支障が出るレベルの依頼。

現場での説明・工夫のポイント

  • 利用者・家族には、
    • 「安全上必要なときはもちろん対応する」
    • 「ただし“空気入れ専用の出動”を頻繁に行うのは難しいので、ご家庭にも空気入れを1本ご用意いただけると安心」
      と、安全と事業者負担の両面を率直に伝えると良いです。
  • あわせて、
    • 定期点検のときに空気圧チェックを必ず行う
    • 使いやすい家庭用ポンプやノーパンクタイヤへの変更も選択肢として提案する
      などの提案も有効です。

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